200円の青Tを2000円で売る方法

200円の青Tを2000円で売る方法

誰も損をしない仕組みこそが、よいビジネス。

鳥井シンゴの独創的なアイデアの根本 にあるのが、
・誰もが損をしない仕組みを作ること
・誰もががほしいとわかるアイデアを選ぶこと
頭に浮かんだアイデアをビジネスにするためには、
上記の考え方が重要です。例を挙げましょう。

青いTシャツがなぜバカ売れしたのでしょう?
2002年。日本中がサッカーのワールドカップ一色でした。
試合結果のニュースをなんとなく見ていました。そんなときふと思いました。
観客は一面に青。あのTシャツはどこで売っているのだろう。

インターネットで調べてみると5000円近くもする。Tシャツとしては高い。
でもテレビを見てみると、お祭り騒ぎしているサッカーファンのほとんどがそのTシャツを着ています。
サッカーファンにとっては高くないのだろうな、と思いました。
それにしてもすごい人数です。会場の中、外。あふれ返っています。
ニュースで入場に時間がかかるという話を聞き、あることを考え始めました。
無地の青いTシャツ、つまり何のプリントもしていない青いTシャツでも売れるのではないか、と。
Tシャツの原価を調べると、高くても300円程度。
インターネットですぐに原価を調べることができます。
なるべく、サムライブルーに近いものを探し、1枚200円で、200枚注文して2日後には段ボールで届きました。
4万円で商品を仕入れたのです。
学生の友達2人に声をかけ手伝ってもらうことにしました。
1人で売るより短時間でさばくためです。
200枚にしたのは、売れなかったときのリスクを5万円以内と決めていたからです。
当日はすごい人、人。テレビで見た以上に人があふれ返っていました。

会場近くで、ただの青いTシャツを2000円で売ることに決めました。
また、駅弁のように移動販売にして、こちらから売りにいく。
僕の予想はズバリ当たりました。
公式の青いTシャツを買えなかった大勢の人たちがそこにはいて、しかも、試合まで時間はたっぷりあったのです。
需要がその時間その場所に大きく膨れあがっている。
200枚の無地の青いTシャツは2時間で完売。売り上げは40万円になりました。
2人の友達には1人日給5000円を支払いましたから、利益が35万円!
感触をつかみ追加で商品を注文しました。

ワールドカップ期間中4日間販売し、友達には観戦チケットを買ってボーナスとして渡しました。
試合が始まればTシャツの需要は落ちていきます。
それでも十分な儲けなので試合が始まると同時に撤収ということにしました。
完売することがほとんどでしたが、需要を上回らない供給のバランスも大切です。
考えて行動するまで2日。思いつきさえすれば誰でもできることでしたが、できたのは僕だけでした。

ビジネスは、お客さまも含めて関わった全員が利益を得ることが大切です。
公式Tシャツが買えなかったお客さまは青いTシャツを安く手に入れ、友達は日給とチケットが手に入り、Tシャツ屋さんも商品が売れ、僕も当然儲かりました。
マーケットと儲けのヒモづけさえできればモノは売れる、というわかりやすい例です。
ビジネスのネタはそこら中に転がっているのです。

【マーケットと儲けのネタをヒモづけよう! ビジネスマンのための「儲かる発想」第9話より抜粋】